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PHILOSOPHY
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伝統工芸の作家たちがこれまで培って来た技術と文化を殺すことなく、現代の世界の人々が感動し喜んで手にしたくなる作品をつくりあげること、それがこのプロジェクトの課題であった。そのためにとはいえ、現代的視点であるデザインの概念によって伝統工芸の職人の文化を押し曲げることは許されない。
そもそも、伝統工芸は「素材」と会話をすることで美を発見している。職人の手がその素材に触れることで手の先から真実を見つけだしてつくる仕事なのだと思っている。職人にとって素材は世界のすべてなのであろう。その素材とは土であり,木であり、それは大地を意味していてその先には地球があり,自然があり,宇宙がある。職人とは地球や宇宙と会話をする人々なのだといっていい。
近代以後に登場したデザイナーという職業は職人とは異なる世界に生きている。デザイナーには時代が見える。人が見える。社会が見え,経済が見える。それ故に現代の思想と直結し,産業と密接な関係を保っている。だからデザイナーには人は見えても地球は見えないのである。そうして、デザイナーは優れた感性で人々の心を捉まえるのだが同時に激しく動く時代の感覚を捉えながら時代から捨てられて行く。工芸は消費されないのにデザインは消費される。
ものづくりはこの二つを持っていなくてはならない。職人のこの宇宙観と現代のデザイン思想の二つを融合することが重要なのだ。
KANAZAWAのプロジェクトでは二つの融合のために「編集」という手法を用いている。「編集」とは職人の文化と技術をそのままにして現代のマーケットに適合させる手法である。
うまく,方向性をディレクションする。時に木地のデザインや方針だけを指示して出来る限りその文化の温存を心がける。
こうして、ここにある4つの作品が生まれた。
考えてみると「編集」とは特別な作業ではない。すべての創作は何らかの形で多くの人々の創作の上に成り立っている。時には背景となる「技術」が作品の重要な背景をつくっていたり、或は単に影響を与えたり、というかたちでその人の創造活動の内容に顔を出している。
「伝統の再編集」はこうして「伝統工芸の仕事に敬虔な気持ちを持ちながら、その文化を誘導するようにして創作された」のである。音楽で喩えると曲の編曲に似ている。或はモンタージュを考えてみよう。複数の作品を集めて適宜に配置することで第三の創作が成立する。すべての創作は編集的行為だということさえ出来るのである。
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